プリシラ
act.1
「上ね、六番マル、七番マル……」
カチャカチャぶつかる金属音が耳にビリビリ響く。
先生の指は、手袋越しに僕の口の中を撫で回していく。
ゴムの感触はとても不思議で背中もビリビリ。
お尻の辺りはムズムズと何かが這い回る感触。
「はい、うがいしてねー」
開放された。
ホッとして起き上がり、紙コップに入っている水を口に含んで少し大きめに潰れた音を立てながら吐き出す。
「虫歯、無いわよ。キレイなもんだわ」
そう言いながら、先生は助手にカルテを渡して僕を見る。
「お顔と同じ。とってもキレイよ。偉いわねえ」
僕の顔を覗き込んだ先生の白衣の奥に、ふっくらした白いものが見え隠れする。
僕は、胸をぎゅっと掴まれた気がした。
「もう一回お口を開けて?」
助手の人がいなくなった途端、先生が小さな声で囁いた。
何の疑いもなくアーンと口を大きく開けると、突然舌先におかしな感触が走る。
先生の指だ。
先生はいつもしているゴムの手袋を外し、素手のまんまで僕の舌をくるくると撫で回した。
ゆっくり指を回して、それから僕の唇をなぞる。