花言葉〜チューリップ〜
扉のところまで行くと、“莉緒へ”とチューリップが置いてあった。
黄色いチューリップが‥。
黄色い、チューリップ。
メールと一緒に届いた画像と同じ。
冬樹‥。
あたし、冬樹に会いに行くのが、イヤになってきたよ。
別れ話を、自分からしに行くことになっちゃうのかなぁ‥。
ゆっくりと階段を上がって行った。
あたしが最上階についたときには、もう冬樹がいた。
「冬樹‥。おはよ。」
「おう!はよ!来てくれてサンキューな♪」
「うん。」
冬樹のいつもと変わらない笑顔を見て、涙が溢れてしまった。
「冬樹はさ、あたしと別れたいんだよね‥?気付かなくて‥ごめんね?あたしのこと好きぢゃないのに付き合ってるのは、あたしもやだし‥。」
「は?なに言ってんだよ?」
「だって、メールのチューリップ‥。すっごい可愛かった。このチューリップも‥。すごく綺麗‥‥。でも…。」
「でも、なに?」
冬樹の優しい表情に、また涙が溢れ出す。
「あれ‥花言葉だよね?」
「もち☆」
やっぱり。
あの画像のチューリップが、花言葉を示しているってことくらい、すぐにわかった。