ウォーターマン
 磨生が微笑んでいる。刻まれた皺(しわ)に、高山にかけられている期待の度合と、任務の難易度の高さが表象(ひょうしょう)されている。
 北朝鮮は、軍事大国であり、最先端の軍施設を備えている。いくら人目にもつかず、レーダーにも反応せず、弾も素通りしていくスーパーサイボーグであるとはいえ、易々(やすやす)と北朝鮮の独立基盤(きばん)である核施設を撃破できる訳がなかった。
 高山は命令拒否できないし、断ろうとも考量(こうりょう)しない。そして、この作戦の目的さえも聞かない。
「大勢ではかえって人目につきやすい。百体程御貸し願えれば」
「それだけでよいのか?」
 大木は訝(いぶか)しんだ。
「まあ、後で変更はあるかもしれませんが」
「よろしい。閣下」
 大木は嬉しそうだ。
「人材を得ましたな」
 磨生は、笑みを浮かべている。
「新しい時代が始まる。我々自由主義者が日の目を見る新しいアジアを、我々の手で構築するのだ」
 四人は悪の帝国北朝鮮の崩壊(ほうかい)を信じ、北鮮征伐を誓い合ったのである。
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