ウォーターマン
高山達の活躍により、北朝鮮国内で生存が認知されていた十一名の日本人のうち九名が無事保護され、二名が残念ながら、北朝鮮の警官によって殺戮(さつりく)されたのである。
晴れ渡った朝(ちょう)陽(よう)の昇華(しょうか)と共に、日朝両軍はウォンサン沖で激突した。空中戦が展開され、北朝鮮空軍はこの一戦で、保有機の約半分を喪失(そうしつ)したのだった。
高山達は九名の日本人を連れて、ケーソン沖の海岸に待機していた潜水艦隊に乗船した。百体いたロボット部隊は、僅か三十体となっており、ハヤトは殉職していた。高山達が十隻の潜水艦隊に護衛されながら佐世保に入港したのは、八月九日の午後十時半のことであった。
中国は成行を黙々と座視していたが、日本人拉致者九名救出の報に接すると、直ちに、
「今までの行為は黙殺しよう。だが、これからの日本の行為は黙殺できない」
というコメントを発した。
これを受けて、磨生は次の様な声名を北朝鮮と中国に、つきつけたのである。
「今回の我が軍のやむにやまれぬ行動により、北朝鮮の虚偽(きょぎ)と犯罪の規模の大きさが立証され、多大の犠牲者の御霊(みたま)に多少の顔向けができた。この上は北朝鮮政府に、一連の拉致殺害事件の全容の公開と、まだ拉致され苦しんでいる日本人がいるのならば、その速やかなる引き渡し、既に亡くなっている人は、その遺骨の返還を、更には拉致被害者の家族の帰国を要求する。もし北朝鮮、或いは中国が、この当然の求めを拒絶するならば、日本は再び、自らの手で、同胞の生命と尊厳を勝ち取るであろう」
北朝鮮、中国側にとって、決定的に不利だったのは、拉致されていた人達の証言であった。彼等は、
「数十年に渡り常に生命の瀬戸際に立たされ、自我を否(ひ)塞(そく)され、監禁同然の、奴隷のような半生を送らされた」
と口々に北朝鮮を痛罵(つうば)し、共産主義の実像を暴露したのである。
晴れ渡った朝(ちょう)陽(よう)の昇華(しょうか)と共に、日朝両軍はウォンサン沖で激突した。空中戦が展開され、北朝鮮空軍はこの一戦で、保有機の約半分を喪失(そうしつ)したのだった。
高山達は九名の日本人を連れて、ケーソン沖の海岸に待機していた潜水艦隊に乗船した。百体いたロボット部隊は、僅か三十体となっており、ハヤトは殉職していた。高山達が十隻の潜水艦隊に護衛されながら佐世保に入港したのは、八月九日の午後十時半のことであった。
中国は成行を黙々と座視していたが、日本人拉致者九名救出の報に接すると、直ちに、
「今までの行為は黙殺しよう。だが、これからの日本の行為は黙殺できない」
というコメントを発した。
これを受けて、磨生は次の様な声名を北朝鮮と中国に、つきつけたのである。
「今回の我が軍のやむにやまれぬ行動により、北朝鮮の虚偽(きょぎ)と犯罪の規模の大きさが立証され、多大の犠牲者の御霊(みたま)に多少の顔向けができた。この上は北朝鮮政府に、一連の拉致殺害事件の全容の公開と、まだ拉致され苦しんでいる日本人がいるのならば、その速やかなる引き渡し、既に亡くなっている人は、その遺骨の返還を、更には拉致被害者の家族の帰国を要求する。もし北朝鮮、或いは中国が、この当然の求めを拒絶するならば、日本は再び、自らの手で、同胞の生命と尊厳を勝ち取るであろう」
北朝鮮、中国側にとって、決定的に不利だったのは、拉致されていた人達の証言であった。彼等は、
「数十年に渡り常に生命の瀬戸際に立たされ、自我を否(ひ)塞(そく)され、監禁同然の、奴隷のような半生を送らされた」
と口々に北朝鮮を痛罵(つうば)し、共産主義の実像を暴露したのである。