僕の机のスミの恋人
1章.机のすみっこ

1章.
―机のすみっこ―


とある日の暖かい昼前の教室。



そして、すでに名物になっている怒鳴り声。


「桜夫婦!!!!!」


またいつもと変わらない日常。俺が、公園で歩に誓ってからもう一年の月日が流れていた。

もちろん返事は保留のままである。


悲惨なことに、俺が公園で叫んで愛を約束した……と、クラスどころか家の近所にまでも有名になっていた。
一部からはもう付き合ってる事にされていて、いやらしい目線で俺と歩をみつめてくるようにもなった。


そんなことがあったせいか、歩とは少し距離を置き、態度なども前と変えないようにした。

歩も、あの時のしおらしい女の子ではなくなっていた。

ずっと待っててくれているのかもしれない。いや待っているに違いない。

だが、俺は返事をしていない。自分に納得がいってないから……


「ゆう、昼だぜ。メシ行かないのか?」

「いったん黙れ、チンパンジー」

「同じ霊長類でも、ヒトじゃない方の進化たどっちゃったんだね僕」

「焼きそばパンを買って来なさい、チンパンジー君。初めてのお使いだね頑張ってね」

「うほっ……って、あれ?上手く使われてるような……」


コイツのおバカ指数はここ1年で何倍にもはねあがっている。末恐ろしい変態が誕生するであろう。


捕まったら全力で有罪を主張してやるよ。


「捕まらん程度に頑張れ」

「なんの事っすか!?」

「お前の未来の話だよ」

「何となくだけど、お前の方が犯罪者の目をしてるよ」

「まぁな」




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