僕の机のスミの恋人
転校生がきたにもかかわらず沈黙し、俺の方を見つめるクラスメート。
「あれは、俺が小学三年生の頃だ………」
「声を出しながら回想にはいらないでよ」
「………………」
当然のツッコミなのだが、転校生の名前をきいて俺の方を凝視するお前等の期待に答えてやったんだよ。
「で、誰なんすか?」
なぜかわからないが、太田の目が輝いている。
「返答次第では、僕はゆうの事をお兄さんと呼ばなくてはならないっすね」
「死ぬほどいじめてやるよ」
どうやら転校生の『ちびっこツインテール』に一目惚れしたらしい。そうゆう属性も持っていたのか………。
「もうすでにとんでもない変態なので、俺の脳内裁判の結果、問答無用の有罪判決で死刑です」
「………それでも僕はあの娘を幸せにしてみせる!」
変態もここまでくれば異常だ。次からは霊長類からも外れた呼び方をしてやろう。
「バカゆうに妹なんていなかったよね?」
歩はもちろん生まれた時からの付き合いなので知っている。
『バカ』は余計だが……
「なに!? まぁ、知ってるけど」
コイツも俺に妹がいない事を知らないほど短い付き合いじゃない。
「…………じゃあ誰?」
クラス中の息の飲む音が聞こえそうになるほど静かだ。そんなに知りたいのだろうか?
全て知っているであろう担任様は黙って微笑んでいる。その隣には、そう俺の…………