僕の机のスミの恋人
そいつらは神出鬼没で新聞のネタを探し回り、たとえ火の中、トイレの中、女子更衣室の中! というのをもっとうにしていて《太田の仲間》と書いて《変態》と呼ぶ連中である。
三年生の《りっきー♂》を主力に、二年の《みかん♀》と《あーちゃん♀》が主な新聞部の自己紹介である。
「自己紹介は助かる」
「すいません先輩、スルーします」
いきなり三人の名前を覚えるのは大変だろう、良い子の皆は覚えないでね。
「今なんか言ったか桜井ゆう」
「気のせいです」
「では本題だ」
「……本題だ?」
「……本題だぁ!」
まるでエコーするように部長の声を復唱する後輩部員およそ二名。
うざいことこのうえない。
「貴様は、義理の妹である桜井みのりと婚約しているのだな?」
「……だな??」
「……だな!?」
ややこしい連中だ。まともに喋れよ。
「それは太田くんの妄想です」
どいつもコイツも勝手に話を進めるのが好きらしい。
「なるほど」
三人分のなるほどをきいた後になんだが、明らかに納得いってない様子ですが。
「戸籍上は完全なる他人になっているから問題ないはずだ」
「……はずだ?」
「……はずだぁ?!」
どこから家の戸籍を調べたのか不思議だ。変態だからなんでもありなのか、この世界は……
「可能なら婚約しないとだめな法則ですか……」
「そうだ!」
「……なのだ?」
「……ほいだぁ!?」
正直に言おう。
めんどくさい……