僕の机のスミの恋人


「助けてください、 ゆうくん!」


薄桃色に赤らめたほほに、涙がうるうるとした上目遣いで一瞬理性を失う。


「大丈夫、アイツは死んだよ」

「勝手に殺さないでくださいよ!」


ちっ、キロネックスはなかなかしぶとい生命力をしているようだ。


「コイツはほっといて、早くりっきー先輩を追いかるといい」

「はい、 ゆうくん!」


彼女は好感の持てる美しい笑顔で手を小さく振り、去っていった。

俺はいつからモテるようになったのだろう。


「ピンク………」

「いや、水色のストライプだったね。さっき見えたもん」

「…………」


あほらし


「で、約束ってなんなのさ? ホントに婚約じゃないんだろ?」


一度気になったらとことんらしい


「……キスだよ」

「え?!」


にやけた顔で太田が驚く。変態根性に火でも着いたのだろうか。

頼むから死んでくれ


「もし日本に帰って、ファーストキスを済ませてなかったら、責任を持って俺がしてやるっ……てな」

「ロマンチックっすね」


俺には、お前の考えがエロチックに思える。


「まぁ、アイツ可愛い顔してるしな。ファーストキスくらい済ませてるだろ」

「アメリカ育ちだしね」


そう考えると、結構無茶な約束したよな。






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