僕の机のスミの恋人
日がちょうど真上くらいになってきた。爆睡モードに入っている二人に、お昼のチャイムは無慈悲に眠りから引きはなす。
「メシ行くけど、どうするっすか?」
「……ねる」
睡魔がまぶたの上でキャンプし続ける限り、俺は起きるきはまったくない。
「僕は、へその上で空腹感達がバーベキューを始めたので食堂に行くよ」
「……おう」
俺は気力のない手で太田の背中を送り出した。気温は23度弱、風は良好。
放課後まで特急だぜ……………
時間が経つのは、ホントにはやい。
みたということは覚えていても、内容が一秒経つにつれて薄れていく夢を必死に思い出そうとする。
無理だけど、楽しかったことは覚えている。
近代化情報化が進んだことを象徴する『携帯電話』で、時間を確認した。
16:42:21
秒単位の時間をデジタルで教えてくれる優れものである。
もう結構遅い時間なのだが、運動部はこれから日が暮れるまでが本番である。
うちの野球部特有の練習メニュー『校歌全力熱唱』が始まっていた。これは、毎年甲子園にいけないにもかかわらず行っているそうだ。
ここまできたら意地だろう。
くっ……と、伸びをしてお腹の空き具合を確認
―――ぐぅ〜
暖かい我が家に帰りましょうか……