僕の机のスミの恋人


あまりに滑稽(こっけい)な光景に(ダジャレじゃないよ)我が目を疑った。


まさかと、吉井花に目をやる。

――ふりふり

首を横にふる。関係ないの意思表示。

じゃあ誰?


「歩か実だろうな、俺的には後者……」


そっと机に近寄る。静かな足音が俺に続く。吉井花もついて来ているようだ。

そして机の前。お米と豚汁からいい香りの湯気がたちこめている。


「出来立てです。ついてるです」

「……食うのか?」


びっと俺を人差し指で指す。


「俺?!」


―――コクリ

正気じゃない。毒が入ってるかもしれないじゃないか!

どう考えても怪しいことこのうえない。だが、お腹は正直者だ。食べたいとグーグーうなっている。


「仕方ない」


丁寧に箸置きに置かれた高そうな箸を使い白米を一口大にはさみとった。

そして、俺の肩より低い位置にある女の子の口に突っ込んだ。


「!?」


ビックリしながらもモグモグしている。こうみると可愛いのかもしてない。


吉井花は、びっと親指を立てた。

異常なし。


「毒味しても問題なしか………いただこう」

「………」


席について、必死にがっついた。お昼を食べないと、こうもお腹が減るものなのか……


そしてなにより





美味いぜ――…





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