僕の机のスミの恋人
結局強引に振り切って実を部屋まで連れてきた。
俺の部屋は六畳の個室で、フローリングの床にベッド・勉強机・テレビ・テーブルなど普通の家具がわりと綺麗に整頓されて並んでいる。
実はベッドの下や押し入れをしきりに覗き込んでる。
そんな卑猥な本を簡単にみつかるとこに置くわけがないだろう……
「あった!」
「なにっ!?」
彼女の手には、とても口にできない代物が持ち上げられている。
「うぇっと……ごうかんされるじょし……」
「どあぁぁぁぁぁぁぁ!」
実の口をとっさにふさいだ。
よんじゃらめー!!!
「んん〜」
彼女はこの場を楽しむかのように微笑みながら俺の手から逃れようとする。
――――が、当然男の俺の力に敵うわけもなくあっさりと降参した。
「うぅ〜」
俺は今気づいてしまった。
俺が実を背中から抱きしめてるような体勢になっていることに。
そして顔を赤らめうつむき、俺の手を握りしめてる実。
彼女の口を押さえてる手に柔らかい唇と熱くて小さな吐息を感じる。
ふと、幼い日の約束が蘇った――――…。