僕の机のスミの恋人
曇天
薄桃色の花は、今年も可憐に咲き誇り美しく散っていった。次第に実がなり青々とした若葉をしげらせてゆく。
春が過ぎ、サンサンと照る太陽を待つかのように雨が降る時期。
俺はこの時期が嫌いだ。
悲しみに満ちた空に明かりは無く、あんなに遠くにあった天が押し寄せて、押し潰されそうな気持ちになる。
もがいても掴みようのない。ただ、やみくもに走り、迷い、気まぐれな‘それ’を軒下から伺う。
曇天の空。
曇天の心………………