僕の机のスミの恋人
翌朝になって理解した。
実が本当に自分には関係ないと思っていることに……


「へばりつくな」

「にゃはは〜ん」


きいちゃいない。
朝いつものように寝坊して玄関をでたら、鳩尾(みぞおち)直撃のタックルハグで迎えられた。
尋常じゃない苦しみに悶絶しながら俺は喜んでいた。

昨日の事なんて屁とも思っていない無垢な実の笑顔に見とれてしまった。

実は自己中心的とか唯我独尊とかそんなんじゃなかった。全て桃色に包みこむ春の桜のような、そんな暖かいものだった。


「次タックルしてきたら、こちょこちょの刑な」

「お兄ちゃんのエッチ! そんなに僕のボディに触りたいの?」

「ち、違う!?」

「お兄ちゃんだったら触ってもいいよ〜」


ない胸を張って、セクシーポーズをとる。

いや、そんなの触ってもなんの得にもならん…………


「お兄ちゃん今、すっっごく失礼なこと考えたでしょ」

「……………………」


学校までの道のり、兄妹らしく登校した。

実と歩いてると、若干性犯罪の香と変な目線がきになって仕方なかった。




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