上司に恋しちゃいました
口調は厳しくても、本当はとても優しい。


ああ見えて結構甘えん坊で、あたしがそっけない態度を取ると寂しそうな顔をする。


そんな彼が、愛おしくてたまらない。


好きになりすぎて、おかしくなりそうだった。



彼の左手の薬指が憎い。


彼を束縛するものが憎い。



一度だけ、揺れるベッドの上で言われた「好きだ」という言葉。



あたしはそれに対して、聞こえないふりをした。


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