上司に恋しちゃいました
「俺たちが今まで食べていた牛タンって何? 別物?」
「これが本場なんですかねぇ」
すっかり感心しながら、ほのぼのとした空気が包む。
土地柄なのか何なのか、すっかり毒気が抜かれたようにゆったりとした時間が流れる。
心もお腹も満たされていくのを感じた。
「いい所だな」
お店を出ると、鬼の王子は独り言のように呟いた。
そしてあたし達は、ごく自然に手を繋ぎながら歩き出した。
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