上司に恋しちゃいました
……大凶って。


これを引く方が、かえって難しいんじゃないの!? 


あ、あ、ありえない!!


真っ青になっているあたしに、鬼の王子は言った。


「まあ……ぷっ……うん、ゴホッ。これ以上悪くなることはないから、逆にいいんじゃないか? 捉え方次第だな、うん」


笑いを必死に噛み殺している鬼の王子に励まされても、全然心に入ってこない。



だ、大凶って……。


「課長はどうだったんですか!?」


語気に怒りを含んで鬼の王子のおみくじを見ると、今度はあたしが目を見張ってしまった。


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