上司に恋しちゃいました
「なっ……!」
やっと唇が離され、言葉を発することができるようになったにもかかわらず、あたしは叫ぶことも、非難の言葉を浴びせることもできなかった。
鬼の王子は妖艶な瞳であたしを見つめ、名残惜しそうに、ゆっくりと身体を離していった。
平手打ちしてやりたいくらいなのに、その綺麗な顔を傷つけたくないと思ってしまう。
「あんまり無理するなよ」
仕事を押し付けた張本人なのに、平然とそんなことを言う。
この男は……鬼だ。
結局あたしは何もできずに、オフィスから出ていく鬼の王子の背中を見つめた。
やっと唇が離され、言葉を発することができるようになったにもかかわらず、あたしは叫ぶことも、非難の言葉を浴びせることもできなかった。
鬼の王子は妖艶な瞳であたしを見つめ、名残惜しそうに、ゆっくりと身体を離していった。
平手打ちしてやりたいくらいなのに、その綺麗な顔を傷つけたくないと思ってしまう。
「あんまり無理するなよ」
仕事を押し付けた張本人なのに、平然とそんなことを言う。
この男は……鬼だ。
結局あたしは何もできずに、オフィスから出ていく鬼の王子の背中を見つめた。