上司に恋しちゃいました
「……大吉って」
思わずこぼれたあたしの言葉に、鬼の王子は気まずそうに目を泳がせた。
な、何この違い。
天と地、月とすっぽん、天国と地獄!?
おみくじを持ちながら、わなわなと震えているあたしを見て、鬼の王子は慌ててあたしを励ました。
「でも、ほら。中身読んでみろよ。意外といいこと書いてあるぞ。
それに比べて俺のは──このみくじにあたる人は、人の上に立つ身分なり。ただし災い起こるとも自身気付かざるときは、のぞみ事叶わず。よく信心してつつしみあるべし──だってよ。
なんだよ望み事叶わずって」
鬼の王子に言われて、中身をじっくり読んでみた。
〈よろこび事、おそくあり。のぞみ事、かなう〉
確かにいいことは書いてあるけど、それは大凶だからあんまり気を落とさないための優しさなのでは?
おみくじにも気を遣ってもらってるあたしって……。
〈考えすぎは災い事まねく。正直にして信じるべし〉
大凶ばかりに気を取られていたあたしは、お互いのおみくじに書いてあった大事な箇所を、軽い気持ちで見過ごしていたのだった。
思わずこぼれたあたしの言葉に、鬼の王子は気まずそうに目を泳がせた。
な、何この違い。
天と地、月とすっぽん、天国と地獄!?
おみくじを持ちながら、わなわなと震えているあたしを見て、鬼の王子は慌ててあたしを励ました。
「でも、ほら。中身読んでみろよ。意外といいこと書いてあるぞ。
それに比べて俺のは──このみくじにあたる人は、人の上に立つ身分なり。ただし災い起こるとも自身気付かざるときは、のぞみ事叶わず。よく信心してつつしみあるべし──だってよ。
なんだよ望み事叶わずって」
鬼の王子に言われて、中身をじっくり読んでみた。
〈よろこび事、おそくあり。のぞみ事、かなう〉
確かにいいことは書いてあるけど、それは大凶だからあんまり気を落とさないための優しさなのでは?
おみくじにも気を遣ってもらってるあたしって……。
〈考えすぎは災い事まねく。正直にして信じるべし〉
大凶ばかりに気を取られていたあたしは、お互いのおみくじに書いてあった大事な箇所を、軽い気持ちで見過ごしていたのだった。