上司に恋しちゃいました
そして、大凶の余波は思わぬところで不運を招いた。


やっぱり不倫しているのにお参りに来たことで神仏を怒らせちゃったのかな。


大凶のおみくじのことばかり考えていたら、あたしはうっかり足を踏み外した。


あっと思った時は空を見上げていて、その一瞬のちに、小さな池に大きな水しぶきがあがった。


ふくらはぎ程の水量しかない池に、豪快にお尻から飛び込んだあたしに、鬼の王子は一瞬真っ青な顔をして、それからあたしの無事がわかると、見事な程豪快に笑い出した。


どこも怪我なんてしてないし、池もかなり浅かったのが不幸中の幸いなのだけれど。


鬼の王子が気持ちいいくらい豪快に笑うので、恥ずかしいとかそういう気持ちはすっ飛び、顔を赤くさせて「もう、笑わないでくださいっ!」と怒鳴りつけていた。

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