上司に恋しちゃいました
浮気発覚
* * *
「まだ終わってないのか?」
「……ハイ、すみません」
『あの日』からも、鬼の王子の態度は変わらない。
セクハラで訴えてやろうかと何度も思ったけれど、結局あたしはできなかった。
右耳に吐息が吹きかかる。
鬼の王子はあたしのデスクに左手を置き、寄りかかった。
あたしは自然と左指にはめられている、シンプルな銀の指輪に目を落としてしまう。
胸がぎゅっと締め付けられたかのように痛かった。
「まだ終わってないのか?」
「……ハイ、すみません」
『あの日』からも、鬼の王子の態度は変わらない。
セクハラで訴えてやろうかと何度も思ったけれど、結局あたしはできなかった。
右耳に吐息が吹きかかる。
鬼の王子はあたしのデスクに左手を置き、寄りかかった。
あたしは自然と左指にはめられている、シンプルな銀の指輪に目を落としてしまう。
胸がぎゅっと締め付けられたかのように痛かった。