上司に恋しちゃいました

「洋服って自分の生き方そのものだと思うんです。

オシャレに目覚めるのは、最初は好きな人ができたからとか異性の目を気にしてだけど、オシャレが楽しくなると今度は同性の目が気になって、そして最後は他でもない自分の為にオシャレするようになると思うんデス。


だから洋服は自分を表す鏡なんデス。


無難な服ばかり選んでたら、冴えなくてつまんない女になっちゃうし、暗い服ばっかり着てたら暗い女になっちゃいます。


あたしは、人に文句言われないくらい仕事できるようになって、自分の着たい服を着て、自分のやりたいことを貫き通せるくらい偉くなりたいんデス!」



宮沢さんは拳を握りしめ、頭上を見上げていた。


……おそらく、宮沢さんの言っていることは社会的には非常識なことで、宮沢さんの化粧はちょっと濃いし、色彩の派手なペディキュアが見えるオープントゥのピンヒールは仕事場には合わない。


でも、宮沢さんの言葉に感動してしまっている自分がいた。


自分らしい生き方……あたしも見つけたい。


でも、自分らしいって、何?
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