上司に恋しちゃいました
*    *     *


暗くなったオフィス。


あたしは溜まっていた仕事を片付けて、適当に時間を潰して待っていた。


二人だけのオフィス。


パソコンのカチカチという音だけが響く。


「ごめんな? 遅くなって」


「いえ……」


優しい声。


仕事モードをOFFしたことが分かる。


鬼の王子がゆっくりとあたしのデスクに歩み寄る。

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