上司に恋しちゃいました
バッグに詰め込んでいた手が止まる。


代わりにあたしの心臓が早く動き出した。


「ん~」


甘えるような鬼の王子の声。


あたしを後ろから抱きしめながら、首筋にキスを落としてくる。


「かちょ……まずいですって。ここ……どこだと思ってるんですか」


「ん~? 会社」


「もぉ…分かってるなら……」


鬼の王子はあたしの身体をまわして前を向かせ、批難する唇を塞ぐようにキスをした。


「……んっ!」
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