上司に恋しちゃいました
「まあ別に、今さら先輩を責めたって仕方ないですケド」


それよりも、会社内でイチャついてたことの方が問題ですけどネ、と宮沢さんは付け足した。


……うぅっごもっとも。


「それで、先輩は結婚したら仕事どうするつもりなんですか?」


「うん、それが……」


口ごもると宮沢さんは、あたしの目をじっと見てきた。


「辞めるの……もったいないですよ」


力強い言葉。


胸がドクンと逆立った。


そうだ、あたしはこの言葉を待っていた。


だから宮沢さんに本当のことを話したんだ。


引き止めてくれる誰かの言葉が欲しくて。

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