上司に恋しちゃいました
「あの……」


二人きりの空間。


鬼の王子は暑そうにネクタイを緩めると、あたしをじっと見詰めてにじり寄ってきた。


鬼の王子が一歩近付く度、あたしは一歩後ろに下がる。


そんなことを繰り返しているうちに、大きなテーブルにお尻が当たった。


鬼の王子はキスができるくらい身体を密着させて、あたしの髪を一房すくった。


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