上司に恋しちゃいました
「それに俺は、美月に家政婦みたいなことを望んでいるわけじゃないよ。完璧にこなそうなんて思わなくていい。
俺は美月が笑って暮らしてくれればそれでいい。それが俺の役目だし、幸せでもあるんだから」


あたしは神様に感謝した。こんな素敵な人と一緒にいられる奇跡に。


「幸せにするからな」


鬼の王子はあたしを抱きしめて耳元で呟いた。


「安心して俺の側にいろ」


夜空からあたし達を見守るようにスポットライトを当て続けている月に、あたしは願った。


ずっと……側にいさせて下さい。


心からの願いだった。


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