上司に恋しちゃいました
「隼人……」


初めて課長の名前を読んだ。


「大好き」


胸かゆくなるくらい恥ずかしいセリフは、とても自然に夏の風に溶け込んだ。


耳を真っ赤にさせてしばらく黙っていた鬼の王子。


あたしが顔を見上げると、目が合った。


そして次の瞬間には、ニヤっと不気味な笑みを浮かべていた。

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