上司に恋しちゃいました
シャワーを浴びて、バスローブに着替えて部屋に戻ると、鬼の王子は布団もかけずにベッドに横になって寝ていた。



近付いて寝顔を覗き込む。



可愛い寝息を立てて眠っているその姿は、鬼の王子と呼ばれる昼間の恐い形相からは想像がつかないものだった。


……キスしたい。



この胸に飛び込みたいと思った。



この人をあたしのものにしたい。



そんなことまで……思ってしまった。



「課長……?」



優しく問いかけると、鬼の王子は「うう…ん…」と可愛い声を吐いて、ゆっくりと目を開けた。
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