上司に恋しちゃいました
──数時間前。
支度を整え、メイク室でひとり、待ち時間を過ごしていると、黒の留袖を着たお母さんが無愛想顔で入ってきた。
ウェディングドレスに身を包んでいたあたしは、褒め言葉をもらうべく微笑みを投げかけた。
すると、お母さんはあたしを見てこう言った。
「どう? 変じゃないかしら?」
わざわざ一回転して見せたお母さんに、開いた口がふさがらなかった。
しかも、ウキウキして見せてきたならともかく、真顔で心配そうに聞いてきたので、
「う、うん大丈夫だよ」と答えるざるを得ない。
メイク室の大きな鏡で入念に留袖をチェックすると、少し安堵した表情を浮かべ、再び口を真一文字に閉じて、部屋を出て行った。
支度を整え、メイク室でひとり、待ち時間を過ごしていると、黒の留袖を着たお母さんが無愛想顔で入ってきた。
ウェディングドレスに身を包んでいたあたしは、褒め言葉をもらうべく微笑みを投げかけた。
すると、お母さんはあたしを見てこう言った。
「どう? 変じゃないかしら?」
わざわざ一回転して見せたお母さんに、開いた口がふさがらなかった。
しかも、ウキウキして見せてきたならともかく、真顔で心配そうに聞いてきたので、
「う、うん大丈夫だよ」と答えるざるを得ない。
メイク室の大きな鏡で入念に留袖をチェックすると、少し安堵した表情を浮かべ、再び口を真一文字に閉じて、部屋を出て行った。