上司に恋しちゃいました
「しないの?」


「あの……何度も言ってるように、あたしそういうの苦手で……」


「しょうがない、お仕置きだ」


……お仕置き!?


鬼の王子はあたしの身体を引き寄せ、唇を無理やり塞いだ。


「―――んっ!」


深い、深いキス。


舌が絡まり合って、息を吸うことさえ許してもらえない強引なキス。


へなへなと腰が砕けて床に座り込むと、


「いけね、妊婦だったんだ」


と上唇をペロリと舐めて、苦笑いを浮かべた。


< 324 / 341 >

この作品をシェア

pagetop