上司に恋しちゃいました
 穴が開いて使い物にならなくなったウェディングドレスや色褪せてしまったもの。


デザインが古く売り物にならなくなったドレスを片っ端から集め、使える部分だけを残し、または切り抜き、裁縫して生まれ変わらせる。


集めたウェディングドレスは、有料のトランクルームにクローゼット代わりにして押し込んでいる。

最初は部屋の一室をクローゼット代わりにしていたのだけれど、どんどん増えていったので借りることにしたのだ。


そして、出来上がったドレスを、後はネットにアップして売るだけ。

ほとんど儲けはないけど、赤字にならないだけマシか……と思ってたら、まさかの妊娠発覚!

子供ができても仕事を続けたいから家でできる仕事を、と思ってネットで始めたので、まさかこんなに早く妊娠するとは。


自分でもビックリだけど、ネットショッピングを始めてよかったって思ってる。


「問題は写真なんだよね。

今売れているのは、余った布地で作ったコサージュとかの小物類で、肝心のウェディングドレスが売れないの。

ドレスだけ載せてもやっぱり分かりにくいっていうか……。

やっぱりモデルに着てもらった方がいいよね?」


「美月が着ればいいじゃん。俺写真撮ってあげるよ」


「あたしなんかダメだよっ!」


「大丈夫だよ。美月はそこいらのモデルより、よっぽど綺麗だよ」


「……あ、ありがと」



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