上司に恋しちゃいました
「おっ今日はカレーか、いいね!」


夏野菜をたっぷり入れたカレーとルッコラのサラダと枝豆の冷製スープ。


食卓に並べられた料理を見て、子供のような笑顔を見せる鬼の王子。


「もうつわりは大丈夫なのか?」


「うん。逆に食欲が出すぎて困ってるの」


「じゃ~、もう安定し出したってことだよな?」


ニマニマと微笑む鬼の王子。


う~ん、嫌な予感。


「そ、そうだね」


仕事はほぼ座ったままでできるので続けられたけれど、一時期はつわりのせいで殆ど家から出られず、鬼の王子にはとても心配をかけた。


五か月を過ぎた今は、少しお腹も張ってきて、ようやくお母さんになるんだという実感が湧いてきた。


毎日、赤ちゃんが写った心電図写真を眺めて元気を貰っている。


まだどこが手足なのか分からない胎児の写真だけれど、大事な大事な、あたしと鬼の王子の赤ちゃん。



「ということは、アレも解禁…ってことだよな?」


「アレ?」


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