上司に恋しちゃいました
「比翼の鳥…」


あたしは思わず呟いた。


「え?」


鬼の王子が不思議そうにあたしの横顔を伺った。


永遠の愛を象徴する比翼の鳥。


あたしは、いつか鬼の王子と比翼の鳥となって大空に羽ばたきたいと願っていたことを思い出した。


そして気づいたら、その願いは十分過ぎるほど叶えられていた。


「ううん。なんでもないの。そろそろホテルに戻ろっか」


「なんだよ。なんでもないって。今夜は優樹菜を早く寝かしつけてお仕置きだ」


「は!? なんでそうなるの!?」


あたしの耳がみるみる赤くなる。


「はい。お仕置き決定~」



鬼の王子が意地悪く微笑んだ。

















【完】

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