上司に恋しちゃいました
午後の会議用にコピーをとっていると、単調な仕事に眠気が襲ってきた。



ガコンガコンガコン



大きなコピー機が揺れながら役目を果たす。



そろそろ新しいコピー機を買えばいいのにと思いながら、デスクから隔離された空間に居心地の良さを感じていた。




ガコンガコンガコン……



「まったくお前は薄情な女だな」



耳元で吐息がかかるように言われ、完全無防備だったあたしは身体が一気に目覚めた。



振り向かなくても分かる。



このシトラス系の匂いは……昨晩燃えるように愛し合った男。

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