上司に恋しちゃいました
「あ…あのっ! し…仕事中なんで……っ!」



身体中の勇気を振り絞って言葉を発した。



早く……この場から逃げ去りたい。



でも、それを望んでいないあたしもいる。



わけが分からなくなった頭で、立っているだけで必死の状態だった。



「そうか……」



鬼の王子は残念そうな顔を浮かべ、密着していた身体を離した。



ほっとした安堵の気持ちと……物足りない寂しい気持ちが入り乱れる。


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