上司に恋しちゃいました
「一つ言っておくけど、そのコピー全部裏面印刷してるぞ」



鬼の王子は去り際にコピー機を指さしてサラリと言った。



「えっ!?」



慌てて出来上がった紙を拾い上げた。



「まあ、白紙だったから言わなかったけど。あんまりボーっとしてるなよ」



鬼の王子の言うとおり、出来上がった紙には何も印刷されてなかった。



ほっとすると同時に、恥ずかしさが込みあげてきた。



いつから気付いてたの!?



あたしが裏面を印刷していることに気付かないくらい動揺してるって分かっててあんなに密着してきたの!?



鬼の王子は真っ赤になっているあたしを見て、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべ去っていった。




……この……鬼がっ!!

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