上司に恋しちゃいました
「深川、ちょっといいか」



突然鬼の王子に呼ばれ、肩がビクっと上がった。



意識していることを悟られたくない。



周りにも……もちろん本人にも。



今のは突然呼ばれて驚いただけ。



決して、鬼の王子の突起した咽ぼとけから発せられる甘い重低音にドキドキしてしまったわけではない。



「……はい」



眉一本動かさない冷静な顔を作り、鬼の王子のデスクに向かった。
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