上司に恋しちゃいました

「はい……分かりました」



か細く答えると、自分の席に戻った。



ハァ……



大きなため息が零れる。



「深川さん災難ですね。金曜に残業なんて」



同僚の島田君があたしのため息に気付いて声を掛けてくれた。



「ううん、大丈夫。帰ったってやることなかったし」



あたしのため息は、仕事が理由じゃないの……



そんな本心は言えるはずもなく。
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