上司に恋しちゃいました
「おい……これ去年のデータだぞ」



「え……?」



島田君は一瞬凍りつき、鬼の王子から書類を取ってまつ毛に付きそうなくらい書類を近付かせた。



不気味な静寂。



書類を顔から離すと、島田君は勢いよく頭を下げて「すみませんでした!」と叫んだ。



「俺が気付かずに発注してたらどうなっていたと思うんだ」



「はい……すみません」



頭を下げたまま謝り続ける島田君。



見ているこっちも胸が締め付けられそうだった。

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