だって好きだから。
「おっはよーっ」
下駄箱から上履きをとりだし教室に向かおうとすると、後ろから元気な声がした。
「ヤスヒロか・・・。おはよ」
「元気なくない?」
「おめえが背中たたいたから痛ぇんだよ」
苦笑まじりに、後ろからかけてきた友達―――川代靖広に挨拶をする。
「そんな痛かったぁ?」
「痛ぇよお」
俺―――東堂章は、中学2年。
そろそろ中学校にも慣れてきた。
ヤスヒロは小学校からの親友だ。
俺達の学校は少し荒れている。
少し――かわからないけど。
先輩は制服を改造しまくってるし、授業も受けない人が多い。
俺らの学年は、いいほうらしい。
みんなちゃんと授業うけてるしね。
ただ、中2病なんて言葉もあるくらいだし
みんな少しは荒れたいんだろうと思う。
俺もそう。
制服は少し着崩してるし、授業はうけてるだけで聞いてない。
そして、俺らのクラスは、
いじめがある。