夏空




歩がステージ裏に戻ってきて大きな背伸びをした。



制服のスカートが上にあがる。


俺は、そんなところに目が行ってしまっていた。



歩の脚 ――



歩が小さく
「緊張した」と呟いた。



俺はその瞬間に
歩の脚から目を離して
苦し紛れに
「お前、緊張しすぎ」
と言った。



歩は鈍感だから、
俺の動揺になんて気付かず
開き直ってガッツポーズをしてくれた。



その時の歩は、いつにも増してかわいかった。







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