夏空
雲一つない部活日和な日だった。
「ふはぁー…疲れた」
部活で疲れた私たち女バスはストンとベンチに腰を落とした。
そして、持ち歩いている制汗剤を体にぬった。
みんなが制汗剤を使うため、
たくさんの制汗剤の匂いが混じり、部室の空気はすごく悪かった。
「えっ?!」
突然の声は唯ちゃんだった。
「うちの制服がないんだけど……知らない?」
明らかに私を睨んでる。
でも、私じゃない。
「歩、知らない?」
冷めた声で聞かれる。
私は当たり前に
「知らないよ?ごめん」
と答えた。
周りからも私への疑いの声があがる。
「康助のことで恨んでるの?」
唯ちゃんが聞く。
はっきりと、否定はできないけど、ここで頷いてしまうと犯人にされると考えた私は首を横に振った。
「そっかぁ……」
「うん、なんかごめんね」
何故か謝る私。
ここで変に突っ掛かるとバスケ部にいれなくなる気がしたから。
「なんで歩が謝んの?
だったら、うちの方がごめんだよ。勝手にうたがっちゃったし」
下に俯きながら、そう呟く唯ちゃんに「大丈夫、大丈夫」と私は笑った。