夏空
そこには無数とも言える程のアームカットの傷。
「なんでやるの?」
黙りこむつっちー。
「嫌だったら無理に話さな…」
私の言葉を遮るようにつっちーが呟いた。
「私の居場所が欲しかった……」
その言葉に私を含む三人は驚いた。
つっちーはみんなからの信頼もあつく、嫌われるような子じゃない。
なのにどうして――…?
「私、みんなに嫌われてる気がした。だから、みんなからの好意が欲しかった」
なにも言えない私。
「切ったらみんなが心配してくれるかなって。
そう思ったんだけどさ
切っても結局みんなの中には
興味本位で近づいてくる子もいたし、
リスカなんて気持ち悪いって言う子もいた。
私、今度はそれが嫌でまた切っちゃった。
悪循環なんですけどね……」
私の目からは涙がこぼれていた。