夏空
痛み*
今私は部活倉庫にいる。
また、呼び出されたのだ。
「ねぇ、歩。
この間の返事聞かせてよ」
と、葵ちゃん。
「でも………ッ」
戸惑う私。
康助は好き。
唯ちゃんは嫌い。
でも、唯ちゃんを蹴落としたら後悔するような気がする。
「ねぇ、歩」
さっきと同じ台詞。
だんだん強まる口調。
気付いたときには、もう既に頷いた後だった。
「よし、決まり。
これから仲良くしようね」
嬉しそうに笑う二人。
そんな二人に怯える私。
―――ごめんなさい。
許して、康助。