夏空




「ただいま」そう言いながら家に入る。

両親は共働きなので、返事はなかった。

ため息を洩らし、二階にある自分の部屋に閉じこもった。


「痛くないんだって。
楽になれるんだって。
ほら、ちょっとだけ。
悪いことじゃないって。
ね?自分………」


震える私の手には、鋭いカッターが隠されていた。

そして、手首に…………







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