君の瞳‐ヒトミノオク‐
恵那の言うことは信じたいけど…でも、本当なのか?
いろいろな話をしてくるけど、樫崎は付き合ってとは言わない。
別れてとは言ってくるけど…。
それにあいつはいつも真っ直ぐだ。
「怖かったよぉ…っ」
「…もう大丈夫、だから…」
俺は樫崎を、信じたいのかもしれない。
何かの間違いだって…思いたかったんだ。
―――――
「優介、大変だっ!!」
「…何かあったのか?」
やけに焦ってる友人。
どくりどくりと心臓が鳴る。
なんか…嫌な予感がする。
「恵那ちゃんが樫崎に階段から落とされた!!」
その言葉を聞いた瞬間、走り出した。
心の奥のどこかで、樫崎を信じてた。
けど…お前は、最低な奴なんだな。
樫崎を想うのはただ1つ。
憎い、それだけだった。