君の瞳‐ヒトミノオク‐



 陰口なんてどうでもいい。

 ただあたしは、自分が思うように進むだけ。

 だってそれが君の幸せに繋がる。












 脚を組んで考える。

 これはまた…面倒なことになった。

 せめて誰も見てなかったらな…。


「樫崎、お前が星野を突き落としたのか?」

「だから違うっつってんじゃん」

「けどな…確かに星野が落ちてきたところを見た生徒が」

「あたしが突き落としたとこは見てないんでしょ」


 押し黙るせんせー。

 ハッ、あたしに口で勝てると思ってんの?

 あの女もバカだね…。

 あたしにとったらこんなの、何も感じないのに。

―ガラッ

 荒々しくドアが開けられる。

 興味を持って見れば、優介が入ってきたところだった。

 わあー何か怒ってる?

 何かあったのかなー。


「樫崎……」

「んー?どうし……っ」


―パンッ

 渇いた音が響く。

 ……優介に、叩かれた…?

 呆然と優介を見上げる。


「お前…最低だな。
 …信じてたのに」


 揺れる優介の目。

 あー…あはは……。

 かわいこぶれれば、良かったのに。


「…信じてなんて、言ったことないけどね?」


 自分で自分の首を絞める。



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