君の瞳‐ヒトミノオク‐



 まああたしには関係ない…か。


「……っ」


 去っていく優介の背中。

 いつか追い付きたい。

 …追い付けるかな?

 ねえ優介…あたし、優介が好きだよ。

 優介の為ならなんだって出来る。

 だからさ…笑ってて?

 そしたらまた頑張れるから。


「…とりあえず俺は病院に行って星野に事情を聞く。
 お前はもう帰れ」

「へーい」


 よっしゃ、早く帰れる!

 今昼休みだからー、結構寝れるんじゃん!?

 ふと、ドアの前で止まる。

 …一応、言っとくか。


「どうした?」

「…せんせー、あたし突き落としたりしてないよ。
 そんな卑怯なことしない」

「…わかってる、けど星野の言い分も聞かなきゃならないんだ。
 わかるな?」


 静かに頷く。

 まあ…仕方ないよねぇ。

 あの女がどんなこと言うか、なんとなくわかるけど。

 あたしは間違ったこと言ってないし、うん。


「せんせーまたねー」

「おう、…またな」


 職員室を出て少し歩いてから立ち止まる。

 叩かれた頬を撫でた。



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