君の瞳‐ヒトミノオク‐
「礼央ー?何でいんの、サボり?」
「浩司こそ何やってんの?」
「浩司“お兄ちゃん”!!」
「はいはい」
――樫崎 浩司(カシザキ コウジ)
あたしの2番目の兄。
今大学1年生。
ただのバカだけど。
「今失礼なこと考えたろ…?」
「別にー?浩司はサボり?」
「浩司“お兄ちゃん”!!
…今日は休みー」
「ふーん」
「ふーんて…」
だって浩司のこととかどーでもいいし。
キッチンに行って麦茶を出す。
「あ、もうないじゃん!!
浩司作っといてよー」
「浩司“お兄ちゃん”!!
…飲んだの潮だろ、潮に作らせろよ」
潮ねぇ…でもあいつ使えないし。
すぐ泣くんだもん。
「潮すぐ泣くから使えないんだもん」
「それは礼央が言う前に蹴るからだろ…。
その蹴り癖直しなさい」
「やだね」
ぐずぐずしてる潮が悪いんじゃん。
平和主義者とか言いながらただのヘタレだろー。
普段生意気なくせにむかつく。
まあ大したことないけど?