君の瞳‐ヒトミノオク‐



「礼央ー?何でいんの、サボり?」

「浩司こそ何やってんの?」

「浩司“お兄ちゃん”!!」

「はいはい」


――樫崎 浩司(カシザキ コウジ)

 あたしの2番目の兄。

 今大学1年生。

 ただのバカだけど。


「今失礼なこと考えたろ…?」

「別にー?浩司はサボり?」

「浩司“お兄ちゃん”!!
 …今日は休みー」

「ふーん」

「ふーんて…」


 だって浩司のこととかどーでもいいし。

 キッチンに行って麦茶を出す。


「あ、もうないじゃん!!
 浩司作っといてよー」

「浩司“お兄ちゃん”!!
 …飲んだの潮だろ、潮に作らせろよ」


 潮ねぇ…でもあいつ使えないし。

 すぐ泣くんだもん。


「潮すぐ泣くから使えないんだもん」

「それは礼央が言う前に蹴るからだろ…。
 その蹴り癖直しなさい」

「やだね」


 ぐずぐずしてる潮が悪いんじゃん。

 平和主義者とか言いながらただのヘタレだろー。

 普段生意気なくせにむかつく。

 まあ大したことないけど?



< 18 / 91 >

この作品をシェア

pagetop