君の瞳‐ヒトミノオク‐



 鞄のところまで歩いて持ち上げる。


「部屋いるから」

「ん…」


 ゆっくり歩きながらこれからのことを考える。

 優介は多分…幻滅しただろうな。

 周りの奴等も容赦なくなるだろうし。

 考えられるのはー、んー上履きなくなるとか?

 あ、対策してくるの忘れた。

 まあいっか…小学生じゃあるまいし。

 それは大丈夫でしょ。

 あと……何かあるかな、リンチくらい?

 負ける気しないけど。

 伊達に兄弟いないし。

 まあ何とかなる、か…。

 部屋に入って鞄を放り投げる。

 そしてベットにダイブした。

 ふと視界に入るローズクォーツ。

 それを手に取って眺めた。


「大丈夫…大丈夫」


 あたしなら、大丈夫。

 優介の為なら、あたしは何だって耐えられる。

 だんだん、瞼が重くなってきた。


「ゆー…す、け…」


 あたしが守る、よ……。










「――…ね……お」

「んー……」


 揺すられる身体。

 だれ…、優介…?

 な、わけないか…。



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